初春の鞍馬山、貴船参詣

 

墨染の 鞍馬の寺と 聞きつるは 雪にあかるき 山路なりけり  (藤蔞 冊子:つづらぶみ) 上田秋成

 

積雪の鞍馬寺〜貴船神社本宮〜奥宮〜結社を詣でる

 

鞍馬

静市の北に位置し鞍馬川流域に散在する集落をいい鞍馬寺があるので地名になっています。京都と丹後を結ぶ鞍馬街道の要衝で北は花背、芹生両峠に界し、東は大原に接し西は雲ヶ畑に隣します。鞍馬は京都の正北約12kmに位置し古来、北方の城壁、加茂川の水源地として最も重要視されました。平安遷都なるや当地に毘沙門天を安置して北方の守護として弥都波能売神(みづはのめのかみ:水神)を勧請して都の川上神としました。山峡渓谷に臨むこの地は自然美に恵まれ風光明媚の地として王朝以来、幾多の文人、歌人によって世に広まった仙境です。鞍馬とは、昔、天武天皇が大友皇子に追われて当地に逃げのびて城を構え、馬に鞍を置いたままで繋がれた事に因ると伝えますが、単なる地名付会説とされます。くらまは闇部(くらぶ:暗部)が転訛したもので樹木が鬱蒼と生い茂り、昼なお闇いところから称されたとされ後世、山谷の形に付会して鞍馬の字を当てたものです。元は鞍馬、貴船、二の瀬の三集落が一村をなしていたが明治22年(1889年)、三村合併し愛宕郡鞍馬村と称し昭和24年(1949年)4月、京都市に編入されてより左京区鞍馬町となりました。

京阪電車・伏見桃山駅 おけいはん特急に乗り継ぎ・・・丹波橋駅 きらら号o(*^▽^*)o 叡山電車・出町柳駅
パノラミック電車・きらら号(デオ900系)に乗車☆⌒(*^∇゜)v 積雪する霊峰・比叡山
積雪の叡山電車・鞍馬駅 パノラミック電車・きらら号(デオ900系)
クラシカルな叡山電車・鞍馬駅(第1回近畿の駅百選選定駅) 鞍馬の大天狗・・とにかくデ・カ・イ!!!(@_@;)
鞍馬寺門前 お腹、空いたやんか〜(^▽^;) おいなりさん・・・4皿注文(^▽^;)
Pちゃん所望のカレーうどん☆⌒(*^∇゜)v カレーきつねそば☆⌒(*^∇゜)v 鞍馬寺参道
新西国第十九番鞍馬山 鞍馬寺(くらまさん くらまでら)

正しくは松尾山金剛寿命院と号し鞍馬弘教の大本山です。南都唐招提寺の鑑真(がんじん)和上の高弟・鑑禎(がんてい)上人が宝亀元年(770年)1月4日初虎の夜、山背国の北方に霊山のある事を夢で見て当地に来ると朝日輝く雲の彼方に鞍をおいた白馬を認めその止まる所に草庵を結び毘沙門天を安置したのが鞍馬寺の創始で延暦15年(796年)、造東寺長官の藤原伊勢人が貴布禰明神のお告げにより、王城鎮護の道場として伽藍を造営し、千手観世音を祀ったとされ寛平年間(889〜898年)には峯延が入寺して真言宗の寺になったが、天永年間(1110〜1113年)に天台座主忠尋が入寺して天台宗に復したといわれ昭和22年(1947年)には鞍馬弘教が立教され、当寺が総本山となり、現在に至っていると伝えます。

仁王門 春日灯篭が連なる参道 童形六体地蔵尊
雪だるま形二体地蔵尊?(^^ゞ爆 進撃開始?!o(*^▽^*)oあはっ♪ 吉鞍稲荷社
魔王の滝 牛若丸に兵法を授けた鬼一法眼社 由岐神社
由岐(ゆき)神社

創建はすこぶる古く、朱雀天皇の御代、天慶3年(940年)の勧請と伝わります。大巳貴大神、小彦名大神を祭神とします。社名は、昔から天皇が天災や騒乱の時、勅して社前に靭(ゆぎ:矢を盛る器)をかけて祈った事が所縁になっています。鞍馬村の産土神で、毎年10月22日に行われる例祭は京都三奇祭の一とされる「鞍馬の火祭」として有名です。本殿は慶長12年(1607年)、拝殿は慶長15年(1610年)に豊臣秀頼によって再建されました。拝殿は重要文化財(桃山期)で桁行六間、梁間ニ間、単層、屋根は入母屋造り、桧皮葺とし中央一間を通路にした割拝殿で屋根中央に唐破風を付し、崖に臨んだ舞台造(懸造)です。

割拝殿(重文:桃山期) 御神木・がんかけ大杉(天然記念物) 本殿
牛若丸の守り本尊と伝える川上地蔵堂 義経公供養塔(東光坊跡) 巨大な御神木(@_@;)
九十九折(つづらおり)坂

由岐神社〜金堂(本殿)に至る約791mの坂道を称します。清少納言が「枕草子」に近くて遠きものとして、「鞍馬のつゞらをりといふ道」と記したところで幾曲がりもしているのでこの名になりました。

中門は仁王門の脇にあった勅使門 由岐神社〜金堂(本殿)は約791mの九十九折の参道・・・(; ̄ー ̄A
多宝塔へ・・・ 舎利宝塔と尊天三尊像が祀られている多宝塔 多宝塔をあとに・・・
スリップに気をつけて金堂へ・・・ 吹雪いてきました・・・`s(・'・;) 寒〜い
翔雲台(しょううんだい)

650万年前、護法魔王尊(サナート・クマラ)が金星より地球の霊王として降臨した場所と伝わります。板石は鞍馬寺に平安時代より伝えられた如法写経会の経巻を埋納した経塚の蓋石です。

もう少しで金堂です・・・ 金堂前から眺める比叡山(右:翔雲台(経塚の蓋石)・・・吹雪いて見えません!!!(>_<)
積雪する境内 金堂(本堂)・・・屋根から大きな雪塊が落ちてきたぁ〜(@_@;)
吹雪が収まるまで、雪宿り・・・(^▽^;) 鐘撞き・・あらよっと・・・o(*^▽^*)o 雪深くなってきまつた・・
冬柏亭(とうはくてい:与謝野晶子の書斎)、牛若丸(義経)息継ぎの水

冬柏亭・・・東京の与謝野晶子邸にあった冬柏亭と呼ばれる晶子の書斎を移築されました。冬柏亭は晶子の誕生日(50歳)に、お弟子さん達が寄贈したと伝えます。牛若丸(義経)息継ぎの水・・・牛若丸(義経)が天狗僧正坊と出会い武芸の修練を行う為に東光坊〜僧正ケ谷不動堂への行き帰りに喉を潤した水井と伝えます。

冬柏亭(とうはくてい:与謝野晶子の書斎) 牛若丸息継ぎの水が出ていません!(>_<) スリップに注意して奥の院へ・・・
遮那王堂・・・牛若丸見参?!(^▽^;)爆  牛若丸(義経)背比べ石 鞍馬山(標高:580m)に点在する経塚(鞍馬寺最高峰点)
岩盤が硬く地下に根が張れずに木の根が地表に露出した「木の根道」・・・幻想的な雰囲気です(*^-^*)
大杉権現社と魔王尊「サナート・クマラ」降臨の大杉

大杉権現社に、魔王尊「サナート・クマラ」が降臨したと伝わる大杉がありました。樹齢千年で3本の幹よりなる巨大な杉でしたが昭和25年の台風で折れ、今は約15mの根幹が残るだけです。大杉大権現(魔王尊影向の杉)を素材として光明心殿の魔王尊像と宝殿の三尊尊天像が新しく彫られ、霊宝殿では、大杉権現として祀られています。

大杉権現社 鞍馬山のピークを超えて下り坂になるので、特にスリップに注意して僧正ヶ谷、不動堂へ・・・
義経堂、不動堂、僧正ケ谷

不動堂は方三間、単層、宝形造、本瓦葺、正面一間向拝付きの仏堂で昭和9年の改修、建築細部は鎌倉中期頃の様式を参考にしたという。厨子には最澄(伝教大師)作という不動尊像が安置してある。不動堂から奥の院に至る鞍馬山中の渓谷を「僧正ケ谷」と言い、山岳修行者の霊地として呪術者の活動した場所である。謡曲「鞍馬天狗」には、牛若丸が天狗僧正坊と出会い夜な夜な天狗達と剣術や妖術を習い修練を行った場所と伝えます。

義経堂 不動堂
牛若丸と天狗が武芸修練をした僧正ヶ谷 奥の院へ続く木の根道・・・アイスバーンや、ぬかるんでたり歩きにくいな・・・`s(・'・;)
奥の院(魔王殿)

鞍馬寺(山)の信仰は650万年前、宇宙の大元霊である尊天の指令によって金星から派遣された魔王尊が、人類救済の使命を帯び地球の霊王として鞍馬山上に降臨した事に始まる。魔王尊「サナート・クマラ」は降臨した時の16歳の若さを永遠に保ち霊王として活動し、様々な姿(天狗など)を現し、人類が遠い未来に水星に移住する時、人類を誘導してくれると伝わります。奥の院一帯が聖域で、魔王殿は多々の奇岩(化石を含んだ水成岩)の上にあり護法魔王尊「サナート・クマラ」が祀られています。石灰岩の重なる柵内は、日本庭園の源流ともいわれる磐座(いわくら)です。

・・・スリップ厳禁 奥の院(魔王殿) 吹雪いてきまつた。。。(>_<)
兵法石

石灰岩で牛若丸が剣術修行で切り付けた刀傷という伝説がありますが、実は雨水が岩を浸食した跡でカレンと言います。

本殿 牛若丸が切り付けた刀傷と伝える兵法石 鞍馬寺西門(貴船)へ・・・
積雪とアイスバーンの下りは、スリップ厳禁で注意してウォーキングぅ〜☆⌒(*^∇゜)v
貴船神社

創祀は延喜遷都以前の反正天皇の御代頃と伝わります。社伝によれば浪花(大阪)から黄船に乗った女神が現れ「われは玉依姫(たまよりのひめ:神武天皇母后)なり、この船の留まる所に社殿を建て、そこの神を大事にお祀りすれば国土を潤し、庶民に福運を与えん」とのお告げがあり、その船は淀川、鴨川を遡り水源の地である奥宮辺りの川の傍から水の湧き出る所に船を留め、社殿を建てたと伝えます。 貴船神社の参拝は「三社詣」とも言われ「本宮」⇒「奥宮」⇒「結社:中宮」の順に詣でるのが古式正しい参拝とされます。

鞍馬寺西門(仁王門から約2.5km) 貴船神社本宮 駒札
貴船神社の呪咀神信仰・・・丑の刻参りと幻の鉄輪掛石(かなわのかけいし)

貴船神社の呪咀神信仰は、平安中期に成立していた事は「栄花物語」などに藤原頼通の病気が貴船の呪咀が原因だと記された事で明らかで鎌倉後期には更に強力な魔力を加え「源平盛哀記・剱の巻」の「宇治の橋姫」の物語を脚色化され、そして室町後期、謡曲「鉄輪」として結実しました。この事は、貴船神社にとって誤った信仰を生む結果となったようです。幻の鉄輪掛石は「宇治の橋姫」が丑の刻参りの時に鉄輪を外して置いた石であると伝わります。貴船神社始め当地の人達も所在を知らず貴船神社にあった「貴船神社・神社紀行」も手に入れて調べたのですが載っていません。所持している鳥瞰図には所在地を断定しているのですが度々の洪水で梶取橋の架け替えや相当年数が経っているので所在を断定する事は不可と思います。

春日灯篭が連なる本宮の参道 神馬像(願かけ馬) 境内
御神水 水占い・・・○吉で〜す!!!(*^-^*) 叶いますように・・・♪♪v(⌒o⌒)v♪♪
社殿(拝殿、本殿) 奥宮へ・・・ ・・・
おもひ川

奥宮の参道途中の谷川に架かる橋で昔は禊ぎ川として身を清めて奥宮へ参拝しましたがいつ頃からか、和泉式部の恋事に付会され「おもひ川」と呼ぶようになりました。そして、奥宮は丑の刻参りの舞台としても有名です。この川の上流に雨乞いの滝がありますが禁足地となっています。

今年は丑年・・・うし岩(*^-^*) 相生の杉 おもひ橋(おもひ川)
つつみが岩
貴船石特有の紫に輝き、岩形、古代火山灰堆積の模様を表している巨岩です。高さは4.5m、重さ43tもあります。
駒札 奥宮へ・・・ つつみが岩
奥宮

古社中の古社といわれ、創建年代は不詳。祭神は本宮と同じ高龗神(たかおかみのかみ)です。奥宮となっていますが、元はここが本宮でした。奥宮の鎮座地は貴船谷の一番低い所にあり、しばしば水害に遭い、天喜3年(1055)に貴船神社本宮を現在の地に遷(うつ)しました。しかし、奥宮は貴船神社にとって重要地で、本宮と変わらずに祀られています。鎮座伝説に、「川のそばから水の湧き出る所があり、そこに一宇を設けた」とあり、現在は水は涸れていますが奥宮本殿の下に龍神が住むと伝わる龍穴があり日本三龍穴の一つと言われています。文久年間(1861〜64年)、本殿修理時に大工が誤ってノミを落としたところ俄かに強風が吹き荒れてノミを空高く吹き上げたという伝説もあります

樹齢700年〜1000年以上の大杉並木道 奥宮神門 積雪の境内
船形石(ふながたいわ)

船の形をしています。神武天皇の母・玉依姫が浪速(大阪)より水源の地を求め、黄色の船に乗って鴨川を遡り、貴船川の当地に至った時、乗って来た船を人目に触れないように小石で積み囲んだと伝えられ航海や旅行にその小石を携帯すると航海、旅行安全のご利益があるそうです。

拝殿 神武帝母・玉依姫が乗って来た船を人目に触れないように小石で積み囲んだと伝える船形石
本殿 御神木・連理の杉と末社・日吉社
本宮〜奥宮を参拝したので、次は結社(ゆいのやしろ:中宮)へ・・・
結社(ゆいのやしろ:中宮)、天の磐船

結社(ゆいのやしろ:中宮)・・・古来、縁結びの神として知られ次のような伝説があります。昔、瓊々杵尊(ににぎのみこと)が磐長姫、木花開耶姫(このはなさくやひめ)姉妹の内、妹の木花開耶姫を娶られる時、姉妹の父である大山祇命(おおやまつみのみこと)は姉の磐長姫も共に奉ろうとしましたが、尊は木花開耶姫だけを召されたので、磐長姫は大いに恥じて、「我長くここにありて縁結びの神として世のため人のために良縁を得させん」と言われてこの地に鎮座しました。結社と呼ばれる由縁もこの伝説に基くもので、平安期にはすでに縁結びの神としてご利益があり貴族〜庶民まで大勢の人々が参りました。天の磐船・・・貴船山中で見つけられた船形の自然石。平成8年(1996年)3月、貴船神社に奉納され、結社御祭神・磐長姫命(いわながひめのみこと)の御料船として結社境内に納められました。長さ3.3m、舳先の高さ1.5m、幅1m、重さは6tもあるそうです。

相生の杉 結社(ゆいのやしろ:中宮) 天の磐船
和泉式部歌碑 解説 御神木・桂や杉の大木(結社境内)
烏帽子岩(えぼしいわ)

参拝者が冷水を浴びて身を清めた場所で大宮人が烏帽子(えぼし)を下して身を清め、休息した所とも伝わります。観光バス駐車場のすぐ下流の川中にあり、道路から見る事ができますが、かなり注意深く見ないと見過ごしてしまいます。

叡山電車・貴船口駅へ約4km・・・ な・な・なんと・・・貴船川に立派な門松(@_@;) 烏帽子岩
蛍岩(ほたるいわ)

平安の昔、宮廷の女流歌人・和泉式部(いずみしきぶ)が貴船神社に参詣して恋の成就を祈り、「もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づる魂かとぞ見る」と有名な歌を詠んだのが、この蛍岩近辺の光景だといわれ、今も蛍の名所となっています。

・・・ 和泉式部ゆかりの蛍岩 叡山電車・貴船口駅
雪が激しく降ってきました・・・寒ぅ〜(~ヘ~;) パノラミック電車・きらら号(デオ900系)(*^-^*) 叡山電車・出町柳駅
京阪電車・丹波橋駅

普通電車に乗り継ぎ

桃山駅に無事到着☆⌒(*^∇゜)v

Tourist  2009.1.02(Fri)

 

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